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横浜市南区の整形外科クリニック

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お知らせ●平成23年11月05日●


脊椎手術時の筋電図モニタリングのまとめ

脊椎手術時の筋電図モニタリングにご協力を頂いた先生方
大成整形外科クリニック 大成克弘先生
横浜市立大学整形外科  青田洋一先生
横浜南共済病院整形外科 近藤総一先生 三原久範先生 蜂谷將史先生
茅ヶ崎市立病院整形外科 戸口 淳先生
藤沢湘南台病院     大山晃二先生

対象の先生方
脊椎の手術にまだあまり慣れていない先生方、
 日本整形外科学会の脊椎外科指導医をこれから取得しようと考えている先生
 日本脊椎脊髄病学会の指導医をこれから取得しようと考えている先生
 患者さんの数は少ないが、事情により脊椎の手術をせざるを得ない先生
指導医の先生方でも厳しい手術操作が予測される脊椎の手術時

上記の場合に絶大なるモニタリング効果を発揮して、先生方の手術を安全、確実に行うことができます。(頸椎 400例、腰椎100例の手術の結果)

脊椎の手術には、戦略が非常に大切であり、手術中の筋電図モニターはあくまでその場の戦術でしかありません。戦略の間違いは戦術で補えるものではない事を念頭に入れて下さい。手術中の筋電図モニターは、手術時に神経の圧迫を回避する事はできますので、手術直後に神経症状が悪化する事は避けられますが、手術の戦略が基本的に間違っていた場合には、手術の結果が良い事を保証できるものではありません。

例えば
1 目の前にある索状物は、神経根か、硬膜か、黄色靭帯か、
2 この神経はどこまで神経ベラで引けるか、
3 どこまで骨を削れば神経を圧迫しているヘルニアや骨棘が良く見えるか
4 骨を削るのはノミで大丈夫か、エアドリルの方が安全か、
 そのロンジュールは神経を圧迫していないか、
5 腰椎の人工椎間板の打ち込み時に神経根を巻き込んでいないか、
6 頸椎前方除圧術の椎間板切除時の、深い骨棘の切除の操作は安全にできてい るか、
7 頸椎の後縦靭帯の浮上時、切除時や脊髄腫瘍の切除時に、神経(脊髄や根)を痛
 めていないか、
8 頸椎前方固定術の移植骨の脱転時に頸随を痛めていないか、
9 腰椎の手術時に「健側も見ておこう」とした軽い気持ちで操作をして反対側 の神経を
 傷つけていないか、

筋電図モニターの設置の条件
1 一画面で10秒から20秒が判読できるようにする事
2 計測の filter は20Hzから30000Hz に設定(通常はこの条件になってい ます)

手術時の注意点 
1 通常の筋電計は4つの筋まで一度に観察できます。
2 アース電極は必ず一本余計に設置する
3.雑音を減らすこつ 大切な手技の時に(殆どの手術時には雑音は拾いませ 
  んが、たまに基線の乱れが出て筋電図モニターが計測不可能な時があります。)
  1蛍光灯を消す(天井とレントゲンフィルム用の蛍光灯)
  2患者さんからア−スをとる(よく忘れる)
  3電気メス、心電図のコンセントと分けて壁から3極の延長コ−ドを引く。
  4手術室上下左右の部屋の電気製品の中止をお願いする。特に電気メス、
   空気圧縮用のコンプレッサ−
4.手術中の筋弛緩剤は使用を禁止。麻酔導入時は別。麻酔科の先生には普
   通にお願いできます。

手術時の利点
1.電気メスの影響を殆ど受けない為手術中に普通に電気メスが使える。使用中は別。
(電気メスの使用時には当然波形が乱れます)
2.モニタ−中に加算が必要ないので手術操作を中止する必要がない。
  頭蓋刺激の場合には(麻酔がケタミンのみで麻酔科医師の特別な協力が必要)で筋または頚髄、末梢神経導出、
  @操作中にモニターの加算(約10秒?30秒)ができない、
  A操作後に加算導出しても失敗した、または巧くできた結果が出るだけで、  
   操作中の判断が不可能
3. モニタ−の監視は看護師さんでもできる。
4.電極が安い、取り扱いが簡単、波形が安定、設置まで5分、
5.False positive が少ない
6.False Negativeが少ない
7.神経根を鋭利なメスで切ったときには波形が出現しない。らしい
8.普通の筋電計で計測できる。無料で貸してくれる。電極は買って下さい。
9.電極の設置に危険を伴わない。

腰椎の神経の手術時の注意点
1 電極は左右の前脛骨筋,または下腿三頭筋場合により大腿四頭筋に貼付ける。
2 波形の乱れが10秒以上続いたら、他の操作をする事
頸椎 胸椎 手術時の注意点
手術前に痙性の高い筋では、基線の振幅が大きい
単発性の波は直ぐにおさまる
筋力低下の筋、腱反射亢進の筋に異常波が出やすい
  一度誘発(手術中の操作で)されると再発しやすい。
  後縦靭帯の出血を電気メスで止血する時には、三角筋、上腕二頭筋、上腕
  三頭筋、には異常波が出やすい。下肢の筋には出現しにくい。
3.手術操作による刺激側と筋電図の誘発側とは必ずしも一致しない。
4.小指外転筋は心電図の雑音が少なく使いやすい。
  小指外転筋は術中に術者が強く患者の手を体幹に押し付けると心電図を拾
  うので、タオル、四角布で上肢全体を包むと心電図を拾わない。
5.三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、大腿四頭筋、肛門括役筋は心電図を拾
  いやすい。
6.基線の大きな揺れ(高電位徐波 脊髄からの大きな自発放電)は危ない
  一度出現すると長時間出現する。脊髄への障害が考えられる。
  10分以上は同一部位への操作を控える事
  (日本脊椎脊髄病学会で報告した内容)
7. 頸椎後方拡大術の術後のテタリングによる第5頚神経の麻痺は予測不可能


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